菅島は、季節に応じて獲れる魚介類が違い、漁師も海女も季節に応じて仕事が変わっていきます。
島の食卓は常に旬の魚介類や海藻が並び、島民たちは海に囲まれた自然の恵みを日々味わいながら生活しています。

春 ~ワカメ・ヒジキ・鰹~
立春が過ぎた頃に、ワカメの種付けが行われ、ワカメ養殖が始まります。

菅島ではワカメの成長と共に春の訪れを感じます。

そしてワカメの出荷の最盛期が過ぎた頃(4月下旬)から、ヒジキの収穫が始まります。
ヒジキの収穫最盛期はGW。GW周辺は、菅島の道がヒジキで埋め尽くされます。

この時期しか見ることが出来ない光景、是非見に来てください。
またGW時期は、初鰹の最盛期でもあります。

沢山鰹が獲れた日は、町内放送が入り、直売所で鰹が格安に販売されることも。もしそんなタイミングに居合わせたのなら、是非菅島の鰹をお土産にしてください。

夏 ~鮑・サザエ・サガラメ(あらめ)~
夏は海女漁の最盛期。

海女さんたちは皆、鮑やサザエを捕りに海に潜ります。

そして鮑漁が落ち着く7月下旬になると、海女さんらは浜辺に流れ着くサガラメ(漂着あらめ)獲りが始まります。

サガラメは昆布科のとても大きな海藻です。

天日干しでしっかり乾かして、出荷されていきます。
ちなみに菅島を含む三重でサガラメは「あらめ」と呼ばれています。あらめに魚を巻いて食べる「あらめ巻き」が郷土料理として有名です。
秋 ~伊勢海老・サワラ・黒海苔~
秋になると、伊勢海老漁(刺網漁)が始まります。

伊勢海老漁が始まると、早朝から港に人が集まるようになり、島は活気づきます。
さらに、秋が深まると海苔養殖の準備(種付け)も始まり、島の忙しさが増していきます。

冬 ~黒海苔・伊勢海老・サザエ・なまこ・さめのたれ~
冬の始まりと共に、海苔養殖が本格化していきます。
12月中旬からは島内にある海苔加工場も動き出し、1年を通して一番忙しい時期に突入していきます。



朝の港は、刺網漁に海苔養殖、さらには一本釣りの漁師たちが行き交い、大変な賑わいを見せます。
菅島を含む伊勢志摩地域の特産品である「さめのたれ(さめの干物)」は、刺網漁(伊勢海老漁)でかかった鮫をたれにつけ、島の風で乾かして作られます。

冬は島民誰もが幾つかの仕事をこなし、忙しい日々を過ごし、正月を迎えます。
そして、立春がやってくると新たなワカメの季節が始まり、春の到来を島民たちは感じるのです。