菅島の主な産業

養殖黒海苔加工場

昭和40年代、漁船漁業の衰退とともに国や県の漁業施策も獲る漁業から育てる漁業への転換が強く叫ばれ、この頃当町でも浮流しによる黒海苔養殖が始まりました。

最初は4~5人程度で、初めて行う養殖技術の研究に与えられた狭い漁場を使っていましたが、1967年(昭和42年)頃から、この漁業も団結すれば採算的に発展性のあることが確認され、漁協組合も積極的に当漁業の指導斡旋、新漁場の獲得にのりだしました。

その努力の結果、1971年(昭和46年)頃には約50件の経営体を数えることになり、年間水揚げ高も1億円余りを記録するまでになりました。

現在では、黒海苔養殖業者が摘採した海苔を乾燥加工・出荷するための加工場も新しく建設され、冬から春にかけて夜通し稼働しています。

アカモク加工場

菅島の磯では昔からアカモクがたくさん自生していましたが、これを食べる習慣もなく、船の航行の邪魔になることから、あまり良いイメージのない海藻として漁業者の間では認識されていました。

しかし近年、アカモクは様々な栄養を含んだスーパーフードとして注目されるようになり、様々な地域で加工・販売されるようになりました。菅島も例外ではなく、今ではアカモクを加工・販売する会社が複数立ち上がり、アカモクに限らず多くの商品が開発・加工・販売されています。

天然・養殖わかめ加工業

菅島では、天然わかめ、養殖わかめによるわかめの生産が盛んに行われています。天然わかめは古くから伝わる伝統製法により菅島産「糸わかめ」として市場で認められ、現在でも昔ながらの製法で生産が行われています。

また、養殖わかめは収穫の後、塩漬けされ塩蔵わかめとして商品化しています。

刺し網漁

菅島の刺し網漁は9月中旬から5月までの間に行われ、主に伊勢海老を獲っています。またカワハギ、ヒラメ、タイ、イシダイなど、他に様々な魚も網にかかります。

一本釣り漁

黒潮の影響を受けて四方を気候温暖な海に囲まれた菅島では、古くから一本釣り漁が行われてきました。菅島の一本釣り漁は大きく分けると、カイ釣り、引き縄釣りに分類することができます。

カイ釣りは錨を打って船を固定して、エサ(カイという)を捲き、魚をおびき寄せて釣る漁法です。主にアジ、サバ、イサキ、タイなどを釣ります。

引き縄釣りは別名トローリングと呼ばれ、船を走らせながら魚群を探し釣る漁法です。主にサワラ、カツオ、カジキ、ヨコワなどを狙います。